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藍染めの命、すくもができるまで
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 藍染めが盛んに行われた江戸時代には、日本各地で多くの品種が栽培され、「百貫」「上粉百貫」「小上粉」などなどその種類は30以上にもなりました。現在では、数種類の品種が残っているだけですが、品種によっても藍の色合いが微妙に異なるといいます。その組み合わせの妙も藍師の腕の見せ所のようです。

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種 ま き → 乾 燥 → す く も → 藍 玉

 スクモ作りはまずアイの栽培から始まります。まだ、寒さの残る3月上旬。大安の日を選んで苗床にタネが蒔かれます。スクモ作りの第一歩の始まりです。生育を見ながら、5月上旬には畑に定植。梅雨の雨と夏の日差しを一身に受けて、アイは一気に成長していきます。50~70センチに青々と茂った頃、いよいよ刈り取りです。この7月下旬から始まる最初の刈り取りを一番刈りといい、葉も厚く大きく、色も濃いのが特長です。その後追肥をして、再び茂った葉を8月下旬以後に刈り取り、これを二番刈りといいます。

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 7月藍師の家々では、まさに戦争状態です。一家総出、近隣の手伝いの人たちも含め、朝は日の出から、日没まで、刈り取り、そして、刈った葉と茎をカッターで細かく切って選別。その葉を干し場に広げて天日で乾燥。むら無く乾燥させるために、何度と無くほうきでひっくり返す作業が続きます。それが終われば、藍の畑の草取り、水遣り、乾燥した葉藍を大きな筵に詰めて保管するまで作業は続きます。暑い夏の盛り、秋風が吹く頃まで休み無く毎日続くのです。

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 刈り取りも一段落した9月上旬。大安の日にいよいよスクモ作りの本番、寝せこみが始まります。寝床と呼ばれる粘土を敷いた土蔵に、カリカリに乾燥させ、大事に保管されてきた葉藍を積み上げていきます。その積み上げられた葉藍を床と呼び、これに水を打ち、切り替えしを行います。積み上げられ、水分を与えられた、葉藍は自然と醗酵し、葉っぱの藍色の成分以外の部分を分解していきます。寝せこみを開始して、4~6日に一度、床の様子を見ながら、水遣り切り替えしをくりかえします。
 やがて床の温度は70度にも近づき、熱とアンモニア、水蒸気を出しながら、醗酵はどんどんすすんでいきます。藍師は、醗酵の具合を温度、湿度、臭いなどから微妙に感じ取り、切り返しの回数、水打ち、寒くなればムシロを布団のように床にかけることで、丁寧かつ繊細に進めていきます。これらの作業のすべてが、良質なスクモを得るための大切な作業なのです。
 寝せこみを開始して約100日、やがて、師走になってようやくスクモは完成します。種まきからおよそ300日間、スクモは、一日の休みも許されない藍師の汗の結晶なのです。
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寝床
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乾燥保存される葉藍
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切り返し
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水打ち
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発酵具合を管理しながら完成に近づける
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