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藍の効果効能 薬としての藍
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 藍で染めた肌着は、昔から冷え性や肌荒れ、汗もなどに効果があるといわれます。防虫効果も高く、江戸時代の古布も藍で染まった場所だけ虫食いが無かったり、大切な着物は、藍の風呂敷で包んでしまった…といわれます。また、水虫に効くとか、マムシよけになるとして、手甲伽半を染めていたという話も聞いたことがあります。“藍染の下着や靴下は臭くならない”というのも実感されている方は多いようです。
  藍の歴史でも触れましたが、そもそも草木からとった染料は、布を染めるという以前から、病気に効く、薬として効果効能を追求したもので、太古の儀礼や儀式においては、色そのものに効果が期待されたものでした。それらが長い年月にわたって利用されてきたことを考えると、単なる呪術的な意味だけでなく、実際に効果を期待できたということだと思います。逆に言えば、漢方、生薬と呼ばれるものの大半は、染料としても使えるという側面を持っています。
 まさに色は命を支えるものだったのです。その中でも特に藍は、さまざまな効能から洋の東西を問わず、薬として認められてきました。中国や日本に昔から伝わる薬学書、『神農本草経』『本草拾遺』『開宝本草』『本草綱目』といった書物には、藍の利用法や効果、効能が事細かに記されています。
 近年でも、林原生物化学研究所などが藍の抗炎症作用、抗菌作用、抗酸化作用についての発表をするなど、改めて藍の効果効能に注目が集まっています。
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民間療法、漢方薬の本、ネットから藍の効果効能を簡単にまとめてみました。
美しい色を楽しむだけでなく、実用と健康のために、まさに藍は命を守る色なのです。
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生薬名
読み
植物・薬用部位
効果効能
使用量・方法
藍草
あいそう
蓼藍の全草
月経不順・痔発熱・外傷
5~10g/日
煎剤・湿布
青黛
せいたい
蓼藍の華
解毒・消炎・殺菌・止血
1~2g/日
藍建てした華を乾燥させ粉末にしたもの
藍実
らんじつ
蓼藍の種
解熱・解毒
3~10g 水200ccで煮詰め服用
藍実(らんじつ)の薬効は、「神農本草経」に主として体内に入った諸処の毒物を解することができて、これを長いこと服用していると年をとっても頭の毛が白くならないで、だんだん身の動きが軽くなるとされています。
藍葉
らんよう
蓼藍の乾燥葉
虫の刺傷・腫物
民間療法として、生の葉の絞り汁を虫刺され、毒による腫れの患部に外用する。
板藍根
ばんらんこん
タイセイの根
感冒・咽喉炎・肝炎
3~6g
中国ではどの家庭にもある常備薬で、消炎、解毒、解熱、止血、抗腫瘍、抗ウイルス、抗菌に効果ありといわれ、外出から帰ったら板藍根の煎じ液でうがいをする習慣があります。特に風邪が流行する冬場には、学校でも風邪や流感(インフルエンザ)の予防として板藍根でうがいをさせる光景が見られるそうです。
中国南部では、これにマメ科やキツネノマゴ科の藍の根なども混ぜます。
{ 補足 1 }

平成17年11月21日 (ニュースリリース)

タデ藍エキスの歯周病に対する効果を確認
~ 日本歯科東洋医学会学術大会で2題発表 ~
             株式会社 林原生物化学研究所

 このたび、株式会社 林原生物化学研究所(所在地:岡山市下石井 代表:林原 健)及び医療法人社団明徳会 福岡歯科統合医療研究所(所在地:東京都中央区 代表:福岡 明)では、タデ藍エキス(タデ藍の葉の水抽出液)に歯周病菌に対する抗菌作用のあることを明らかにし、その活性主成分を解明しました。
 タデ藍に含まれるどの成分がこれら歯周病菌に対する抗菌活性の本体であるかを調べたところ、トリプタンスリンであることが分かりました。

※トリプタンスリンとは
含藍植物に特徴的に含まれる物質。林原生物化学研究所の研究により、タデ藍の持つ様々な生理作用の有効成分の中心的な物質であることが明らかになった。インディゴと共通する化学構造を持つ。タデ藍は歯周病に対する効果を始めとして様々な生理作用を持っていますが、その薬効についての科学的な解明はほとんどなされていませんでした。林原では今後もタデ藍の薬効に関する研究をすすめてゆきたいと考えています。



{ 補足 2 }藍の効果効能

開宝本草に青黛として収載されているが、別名は瀝青(れきせい)ともいわれる。

▷ 基源 多くの植物からえられる。
1)マメ科のキアイ(タイワンコマツナギ)の茎葉。
2)キツネノマゴ科リュウキュウアイの茎葉。
3)タデ科のアイの茎葉。
4)アブラナ科のターチンおよびタイセイの茎葉。

 これらの茎葉を採集し、水に2~3昼夜浸し葉が枝から自然と落ちるところ、枝を引き上げ、石灰を原料の約10分の一加え、十分攪拌し、液が深紅色になったときに、液面に浮いた藍色の泡沫を掬い取り乾燥したものが次品である。沈殿物を乾燥したものが「球藍(きゅうらん)」である。
 植物は生産地によって異なり、福建省ではタイワンコマツナギとリュウキュウアイ、江西省ではタイワンコマツナギ、河北省ではアイ、雲南省ではリュウキュウアイ、江蘇省ではタイセイなどを原料としている。

▷ 産 地
中国、福建、河北、雲南、江蘇、安徽などに主産し、河北、福建、雲南が産量最大。福建産が品質最良で「福青黛」といわれる。

▷ 成 分  インジゴ約5~8%が含まれる。

▷ 作 用  抗菌作用。

▷ 応 用
解熱、消炎、止血、解毒薬として利用される。口舌そう、扁桃腺炎、喉頭炎などに外用する。

▷ 用法・用量  煎剤、散剤、丸剤。1日1~3グラム。
{ 補足 3 }

百華茶苑 総合薬草データベースより

板藍根の学名・英名・和名の語源

◆学名
【Isatis】〔イサティス〕属名
暗色の染料を採る植物〔大青〕に対するギリシャ名。
【indigotica】〔インディゴティカ〕種小名
〔藍色の〕意味。

◆英名
【Woad】〔ウォード〕
〔植物としての〕〔染料としての〕の大青の意味。

◆和名
 【大青】〔たいせい〕
藍染め使用する植物を総称。葉を大青葉、色素を乾燥させたものを青黛(せいたい)、果実を藍実、根を板藍根と称して薬用にする。



板藍根の歴史

◆ウォードは中世〔14~15世紀〕ヨーロッパ〔ドイツのチューリンゲン州エアフルトが有名〕で栽培されていた。特に寒さに強いので、寒冷地での栽培が多かった。17世紀になり安価で高品質のインドアイが入ってくるようになると急速に栽培が衰えた。

◆日本では近縁種の蝦夷大青〔えぞたいせい〕をアイヌ民族が用いていた。18世紀の中ごろ、中国から渡来したと言われています。ただ、古くは北海道に自生していたとも言われ、先住民族のアイヌ族がそれを使って藍染めをしていました


板藍根の安全性
クラス:1 適切に使用する場合は、安全に摂取することができる。

◆中国ではどの家庭にもある常備薬で、外出から帰ったら板藍根の煎じ液でうがいをする習慣があります。特に風邪が流行する冬場には、学校でも風邪や流感(インフルエンザ)の予防として板藍根でうがいをさせる光景が見られるそうです。



板藍根の栽培と収穫

◆園芸用種。耐寒性、日当たりと水はけの良い肥沃な中性からアルカリ性の土質を好む。こぼれ種で自家繁殖するが、連作障害を起こしやすい。

◆葉は夏に摘み取り生又は乾燥させたものを使用する。
 根は、秋に堀り上げ乾燥させた刻んだものを使用する。