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染色技法
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 染色の技法は、大きく二つに分けられます。糸を染めそれを織る先染めと、織られた布を染める後染めです。先染めされ、染め分けられた色糸を織ったものを、一般的には「織」といいます。
 絣は、先染めの代表的な技法で、括った糸を染め、その括りほどくことで、染まっていない箇所をつくり、その糸で織ることで、模様を描き出します。後染めで布に模様を描く場合、織り上げた白地に、型で、糊やゴム、蝋などを置き、おかれた場所を防染(色が染まらない)し、布を染めた後、その糊や蝋などを落して、模様を描きます。また、布を折りたたんだり、糸や紐で絞ったり、板で挟むなどして、染まらない箇所を作り模様を描く技法や、それらを組み合わせてたさまざまな染色技法があります。
 本藍染めの染色技法の違いを簡単に分けると以下のようになります。
◆ 先染め
 
◆ 後染め 
  型染め絞り染め板締め筒描き蝋纈染め

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[ 絣 ]
 久留米絣の技法は、括り、染め、織りなど、30以上の複雑な工程を必要としています。まず、図案を描き、その絵に合わせ、経糸、緯糸の白く抜く部分に印をつけて、粗苧(麻の外皮)でくくります。このとき経と緯の模様が、織ったときにぴったりと重なるように正確に括っていきます。その括られた糸の束(糸かせ)を染めますが、薄い瓶から濃い瓶へと順に浸して染め上げ、それを30回以上も繰り返します。染めた糸かせは、その都度よく絞り、たたくを繰り返し、くくり際がよく染まるように糸をふくらませ、空気に触れさせます。染めた糸は、乾燥しないうちに粗苧をはずし、水洗いののちに天日乾燥させます。そして、投杼機と呼ばれる機で織り上げて行きます。杼(ひ)で緯糸を通し、経糸の模様に柄をあわせながら打ち込んでいきます。
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[ 型染め ]
 型紙に図案を彫り、紗張りを行い補強したものを用います。その型紙を布にあてて、防染糊をおきます。糊の置かれた図案の部分が染まらず、染め上げた後、お湯で糊を落とすことで、図案が現れます。糊は、通常、餅粉と米ぬか、灰を混ぜたものを使いますが、状況に応じて、色粉をたしたり、ゴム糊を使ったりします。浴衣などに用いられる注染は、その応用で、糊置きした布を何枚か重ね連続した模様を一気に表現するものです。
 
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[ 絞り染め ]
 布を縛ったり、折ったり、また、糸で縫うなどして、染まらない部分を作り染める技法の全般を言います。
 歴史は古く、奈良時代には、三纈(さんけち)と呼ばれた蝋纈(ろうけち)、夾纈(きょうけち)、纐纈(こうけち)のうち、纐纈が現在の絞り染めにあたります。疋田鹿の子、鳴海、有松など、各地で精緻な絞りが工夫されました。また、その絞りで花鳥風月を描き出す、辻が花などが有名です。
 
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[ 板締め ]
 三纈のうち、夾纈がこれにあたり、布を2枚の板で挟み、板に彫られた溝に染め液がしみこむことで、板に挟まれた部分が防染され、模様を作り出します。また、布を折ったり、たたんだりして板に挟むことで、重なった部分と板で締められた部分が複雑な模様を描き出すことが出来ます。
 
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[ 筒描き ]
 米ぬか、餅粉などで作った防染用の糊を筒に入れ、下書きにそって糊を絞りだしながら布に模様を描いていきます。模様を描き終わった布は十分に乾燥させ、この糊のおかれた部分が防染され、糊を落した後、白く色が抜ける部分になります。色の濃淡を出す場合は、何度か染めた後に、染まった場所にさらに糊を伏せます。ここが薄い青となります。その後、また染液につけ濃い部分を染めます。染め上がって十分に乾燥させたら、糊を刷毛などを使い、流水で丁寧に糊を落します。糊が落ちると色の薄い部分や最初に糊を置いた白場が現れます。
 
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[ 蝋纈染め(ろうけつぞめ) ]
 三纈の中の蝋纈(ろうけち)がこれにあたり、正倉院の宝物にも用い足られた技法です。筆や刷毛などに熱した蝋をつけ、それで布に模様を描いたり、木版を作りその版に蝋をつけて布に押し当て、模様を描いたりして染めます。染め上げた後、お湯で丁寧に蝋を落とすことで図案を表現します。
 
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